函館に部屋を借りた。
ここのところ毎月、1週間ほど函館を訪れていて、毎度毎度ホテル代を払うのが不経済だと思ったからだ。
完全に函館の住民になりきってしまうというわけではなく、たぶんこれからも訪れる頻度やその都度の滞在日数は、これまでとさほど変わらないと思う。
だから、これからも函館では、一市民ではなく、一旅行者として過ごすのだ。
漠然とそんなことを思っていたが、借りた部屋で1人ポツンといるときに、ふと思った。
これからは函館に着いても、ホテルの人に「いらっしゃいませ」と迎えられることはなくなるのだ。
函館を後にするときも、ホテルの人に「お気を付けて。また、お越しください」と見送られることはないわけだ。
部屋を借りてしまってから、ホテル暮らしも悪くない、ということに気が付いた。

