函館の名物は、いったい何か。
それは人それぞれだろうけど、「夜景」と答えれば、多くの人から賛同が得られる。
函館山に登れば、海に挟まれた市街が見える。
やがて陽が沈むと、それが海を縦に分断する光の帯として浮かび上がる。
全国に夜景の名所は少なくないが、こんな光景には、まずお目にかかれない。
こうして上から町全体を見下ろした夜景だけでなく、十字街の電停に立ち、地面と並行の視線で眺める「まちづくりセンター」方面の夜景も捨て難い。
ライトアップされた「まちづくりセンター」のレトロな建物。
その手前には市電の鉄路が、車のヘッドライトや信号灯の色とりどりの光を映し、闇にその緩いカーブを際立たせる。
函館山からにせよ、十字街電停からにせよ、夜景を撮るのは意外と簡単で、きれいだと感じた方向にカメラを向け適当にシャッターを切る。
手ブレさえ気を付ければ、そこそこさまになる写真が勝手にでき上がるし、ブレたらブレたで、それもまた雰囲気がある。
ただ、労せずに名作もどきが撮れるということは結構曲者。
どの写真も似たり寄ったりで、これぞ、と言えるような特徴を備えた快心の作はなかなか撮れない。

